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2010モデルの個人的感想です。ゲレンデ条件やマテリアルコンディション等々同じモデルでも感想が異なることもありますが、少しでもマテルアル購入のお力になれば幸いです。

※ 基礎モデルが中心で一部レースモデルも試乗していくつもりです。

オガサカ keo’s RF 170cm 109-69-99 R=17.3 (タングラムにて)

来期のオガサカ一押しモデルがこのRFです。
一本で何でもできる板をコンセプトに考えられたそうです。
試乗の板は170pでR17.3とスペックだけ見れば完全に大回り専用のモデルですね。しかしながらスペックと実際のすべりは全くの別物です。
小回りがかなり痛快に決まってくれる板なんですね。「ギュン」と回し込む滑りでは無く板の反発を利用して振ってあげる滑りには適していると感じたしだいです。
また大回りではRの大きさを利用して縦ラインに板を進めることよりも体を傾けて板にプレッシャーを与えると非常に良くタワミ遠心力を感じるカービングが堪能できます。
今までになかったケオッズではないでしょうか?
但し試乗板と雪質が今一合わなかったのか「走り」が感じられずどうしても体が先行しすぎる(板がついてこない)もどかしさが感じられたことが残念です。


オガサカ keo’s TC-QR 165cm 117-67-104 R=12.8 (タングラムにて)

来期のケオッズ基礎系小回り用モデルです。
整地での利用は板の走りが非常に良く小気味良い小回りが楽しめます。
フレックストーション共にソフトな部類でしょうか?強烈な板の返りも無く思ったタイミングで弾んでくれるので取り扱いが楽でした。
コブでもこれなら行けるかな?と思いやや大きめのコブ斜面に突入したものの何故かしっくり来ないんですね。
板が「発射」気味になってしまいトップを落とし込むのに苦労しました。
また板が挙動不審な動きをするケースもあり、イメージとはちょっと違う反応でした。
コスメ的にはオガサカに似合わない白地に豹柄で一見大人しいデザインですがよくよく見ると結構大胆ですね。
整地での利用であれば中級者程度から十分に使える板だと感じますが、エキスパートにはもう少し張りの強さがあるSSをお勧めします。


 K2 スピットファイアー 167cm 117-68-99 R=14 (白馬五竜にて)
2のSLレース系の板です。
エッジホールド感が非常に強くそしてフレックスが比較的ソフトなモデルでした。
すばやいエッジングに反応してくれるところはまさにSLマシンなんですが、コブでも行けちゃう所は
基礎系の利用でも十分に対応してくれます。
試乗機はチューニングが完璧だったためか、テールエッジの残り(最後までズレない)はターン後半
板のしなりが戻るときに加速感さえ味わえる一台でした。
小回り重視でマテリアルを検討する方にはかなりお勧めできるモデルです。

 K2 クロスファイアー 170cm 122-74-106 R=16(177cm) (白馬五竜にて)
来期のクロスファイアーは変わります。
現在は整地6.5不整地3.5程度の利用に適したモデルでありましたが、来期からは55の割合が似合うモデルに変化します。
センター部分がよりワイド化されオフピステや春の悪雪にかなり強くなる板となるはずです。
エッジングの感覚よりも雪面をソールで押さえる滑りの方が適しているのでしょうか?
逆に整地での小回りに関していままでのクイックな板の反応は薄れています。
センターにプレッシャーをかけると反応が返るというより止まってしまうという印象でモデルはクロスファイアーですが全く別物の板に変身してしまいました。
しかしながら昨今のオフピステを残すスキー場が増えてきた現状を考えるとこのような板もありかな?
と思わせる一台です。
但し他モデルのリーコンとの性格が似てしまい中途半端な位置づけになった感じが拭いきれないモデルです。

 K2 MSL 167cm 117-70-101 R=16(177cm) (白馬五竜にて)
MSL=ミサイルだそうです。
2の担当者とネーミング談義で笑ってしまいました。
一方モデルは昨年までのクロスファイアーの後継機となっておりその乗り心地はクロスファイアーに近いものでした。
私も2009モデルのクロスファイアーを所有していますが斜面を選ばない非常に扱いやすいモデルであり各ショップの評価もかなり高い板ですね。
但し長く乗っていて不満がないわけでもないんです。それはテール形状がラウンド(丸い)ためか深い
カービングを描いたときにターン後半にテールのズレがでてしまったことなんです。
逆にそのテールが丸い分コブ斜面では板のひっかかりが無く上手く抜けていく特性もあるんで一長一短の形状なんですけどね。尚、このMSLは試乗機こそテール形状はラウンドでしたが、市販のモデルはスクエアー(テールが平)に変更されるそうです。このことにより乗り心地も変化があることでしょう。

 K2 リーコン 170cm 119-78-105 R=18(177cm) (白馬五竜にて)
オフピステを中心に滑りを考えるならば先ずお勧めしたいモデルがこのリーコンです。
試乗機は170cmでセンター幅が78mmもあり素早い反応はしない板ですが、大きな動きで板にプレッシャーをかけたときの深雪での浮遊感はデモモデルにはない楽しみを与えてくれます。
それでも決してピステンのかかった整地での利用に不向きかといえばそうでもないんです。
大回りでのカービングも板のブレも感じられずかなりオールラウンドな利用ができるのでちょっと関心してしまいました。
硬いアイスバーンのようなコース以外は結構許容範囲も広いようですね。

 アトミック D2 DEMO TYPE-S 160cm 123-67-105.5 R=11 (白馬五竜にて)

デモ系SLモデルのフラッグシップがこちらの板です。
持った感じは非常に軽いためフレックスもソフトかな?といった印象を抱きますが、どうしてこれがかなり張りの強いモデルでありました。

デモ系というよりもむしろSLレース系に近いモデルでありコブなどの進入では正直「発射!」状態になってしま場面も多く扱うのが最後まで難儀した板でした。

整地限定の使用用途であれば言うことなくお勧めできますが、脚力のない方が一本ですべてをこなせるタイプの板ではないと感じたしだいです。


 エラン SLXウエーブフレックスフィージョンRS 165cm 116-66-104 R=12.1 (白馬五竜にて)

ロングセラーになっているエランのSLレース用の板がこのSLXですが、SLXの中でもワールドカップモデルの純SLマシン、メタルが2枚入っているモデル、そしてメタル1枚の比較的ソフトなモデルの3機種があります。
その中でも今回はメタル2枚入った機種をチョイスしてみました。

かなり板のフレックスが強く、「扱いやすいエラン」とは異次元の機種となっているようです。
かなり脚力を必要としますが、センターへのプレッシャーを上手くかけると(難しい表現ですが)
反応が小気味よくあり、コツをつかめばタイムの出やすい板なのかもしれません。
ゲレンデユースでの利用を考えるならば間違いなくメタル一枚のモデルをお勧めします。


 フィッシャー プログレッサー9+ 165cm 117-77-100 R=13/16 (白馬五竜にて)

今期かなり高評価のプログレッサーシリーズは来期もコスメの変更のみで、基本性能の変更は行わなかったようです。

相変わらずの高速安定性と張りの強さは最上位機種ならではだと感じます。
脚力のない方は8ないし7の選択もあります。

このモデルも一本で何でもできるオールラウンド性が売りであり評価通りの癖のないスキーだと感じます。
(それがちょっと物足りないと言われる方もいるんですが)


 サロモン エキップ 24 アワーズ170cm 119-72-103 R=13/17 (白馬五竜にて)

とうとうサロモンがキャップ構造に見切りをつけてサンドイッチに手を出しました。
デザイン、構造、発売時期すべての面で変更してきたのが来期のサロモンです。
この試乗機の印象はしなやか、走る、安定感の三拍子なんです。コブでも整地でも苦になる状況は皆無また今までの「簡単なサロモンデモ」の印象派微塵も感じられず、乗り手が板へのコンタクトを取った分素直に反応してくれる、そう「強弱」を現してくれるモデルなんです。

これはサンドイッチ特有の感覚なのかもしれません。
玄人好みされる乗り心地が来期のサロモンであり、かなり話題になることは間違いないでしょう。
筆者の来期一押しモデルがこのエキップ24 アワーズです。


 ヘッドiシェープ マグナム 163cm 120-71-105 R=12.4 (白馬五竜にて)

初代のマグナムのイメージがありお目当ての板の間に時間つぶしで乗ったモデルですが、これが完全にイメージを覆されました。
「捕らえどころのない板」が大変身しています。

荒れたコブで無理やり板を振り回してもちゃんと思ったところに板が戻ってきてくれるんです。


また整地ではかなり走ってくれるモデルでもありどんな状況にも対応できるまさにオールラウンドの真髄のような板でありました。

一本しか持てない、一本で何でもできる板をお探しの方には絶対お勧めします。


 フォルクル クロスタイガーSD 165cm 118-66-101 R=13 (白馬五竜にて)

昨年までのフォルクルのデモ用モデルはタイガーシャークにとって変わりましたが、
来期からはクロスタイガーにデモモデルの主力は戻って来るようです。
私が思うに、スキーにごちゃごちゃつけたモデルは結局長続きしない、どんな寄り道をしても
昔ながらのサンドイッチ構造に戻ってくるというのが結論のようですね。
さてこのクロスタイガーSDは以前あったオールスターの乗り心地にそっくりです。
フレックスはやや硬めですが癖のないオールラウンドな利用ができコブでも整地でも滑るゲレンデ
を全く選ばないという印象でした。
この部分だけ突飛した性能があるというタイプの板ではありませんが、オール80点的な
優等生のスキー板です。これも購入してまず外れのないモデルだと感じます。

 アトミック D2バリオフレックス 160cm ??-??-?? R=10-16 (戸隠にて)
今期(2009年)登場した話題のスリットスキーです。
このスキーの特徴はなんと言ってもスキーのトップとテールが割れていること。その割れた部分を樹脂のようなものでつないでいて滑走時にそれが開く(割れる)ようである。詳しい能書きは良くわからなかったが、実際の体感では・・・
これがいいんですね〜戸隠のチャンピオンゲレンデの硬いバーンを滑走してもかなりのエッジング感覚があり、テールのホールド感も最後までズレない。
滑走安定感抜群でした。
また大回りでの板のバタつきもなく雪面に食いつく滑走性も評価できるところですね。
但しお値段が〜
150000円との事です(汗)
 KEI SKI ヌプリ 163cm 115-74-100 R=? (戸隠にて)
今回戸隠のKEI−SKIの担当者はなんとSAJナショナルデモコーチの我満嘉治氏が担当していました。
その我満氏いわく一度履いてみてください。プレートを付けずにここまでの性能を引き出すのに苦労したんです。との談。
味も素っ気もない白い板だったんですが言われるままに試乗しました。
先ずビックリしたのがその軽さです。持った瞬間「軽い!」と声に出すほどでした。この軽さは滑り出す前は「安定性がないのかな?」とか「キョロキョロするんじゃないか?」なんて不安もあったんですが、滑り出すとそんな不安も完全に拭いきれる快適な滑走がまっていました。
エッジのホールド感は抜群でで板全体で雪面を捉えている感じは試乗サイズ163cmを全く意識させず安定感があり、小回りでの反発も極端に早くなく、平板のしっとりした戻りがあります。また悪雪での利用も軽く振れる特性を生かして自在にコントロールできるところは感動さえ味わえるマテリアルでした。ジャンルと問わずゲレンデを縦横無尽に滑りたい方にはかなりお勧めできるモデルです。
 ノルディカドーベルマン スピットファイア 170cm 122-70-105 R=14 (戸隠にて)
今回戸隠では時間が余りなく最後の一本に試乗したのがこのモデルです。
印象はと言いますと、カービング志向の強いモデルではありますが、思った以上にソフトなフレックスで小回りでの反発も極端に強くなく体が遅れることはなく「あれ?板と体が絶妙に合ってるんじゃない?」といった感じでノルディカ=硬くて早い、といった印象から随分乗りやすい板に思えた次第です。
また大回りでは、硬めのシルバーコースでも不安は微塵もなくGS系の板にもひけを取らない安定感でした。
カービングを中心にしたオールラウンドな使用に十分対応したモデルと感じました。
お勧めです。
 K2ヘルファイアー 167cm 115-68-99 R=16 (戸隠にて)
このヘルファイアは、今期のスピットファイアの下位に位置するモデルであり、メタルが入っていない分ソフトで取り扱いも非常に楽なモデルでした。

硬い斜面ではやや板が叩かれてしまう印象でしたが、トップが雪面を捉えるスピードも速くSL系の流れを受け継ぐモデルであると感じます。
整地で雪が柔らかい時や悪雪などではその取り回しも快適でありステップアップをしようとする滑走者には是非とも履いてもらいたいスキーでした。

難点は高速安定性にやや欠けるかな?といった感じで、大回り主体の滑走者にはちょっとお勧めできないモデルです。
 フィッシャーRC4 W.C SC PRO FL 165cm 118-66-99 R=13 (野沢温泉にて)
話題(?)の穴あきスキーです。
純SLレースタイプの板です。レース用のマテリアルらしくエッジの食い込みは流石の一言。

また穴が関係しているのか?振り出しの軽さはレーシングタイプには似合わないほど痛快でありかなり振り回せる板と感じました。

フレックスはさほどの硬さではなくこの部分だけ取れば十分にフリースキーでも利用できると思われるが、流石にズレない。エッジがかみ合うとそのまま縦方向に走り出すためどうも一辺倒な滑りになってしまう。

基本的には硬い整地での使用に限定されてしまうのが残念なところではありますが、ディチューンして基礎系のモデルを出すのも面白いかもしれませんね。

尚、この穴が曲者。滑っていると実際この穴から雪が飛んできて顔に当たるのはちょっと辛いね(笑)
 フォルクル タイガーシャーク11フィート PS 168cm 121-75-104 R=15.2 (野沢温泉にて)
以前の10フィートと12フィートの中間に位置するモデルを一押しとしてきたフォルクルである。
スーパースポーツの後オールラウンドのフラッグシップを担うかと思ったが2010年は完全にクロスタイガーにそのお株をを奪われてしまった感がある。

さて今期のタイガーシャークはというと、これが今までのまったり感がやや薄れクルージングに適したモデルと帰ってきた感じがあります。
自慢のパワースイッッチは、クルーズ、ダイナミック、パワーの3種類。クルーズでの適した斜面は柔らかい整地、もしくはコブ斜面、ダイナミックはオールラウンド。パワーは完全に硬いレージングバーンのようなコースに適していますね。
板の安定性もあり安心して体を預けられる大回りは意外なほど。

また板の形状から悪雪や新雪にも強いモデルですね。
 ヘッド ICON TT 80.0 170cm 118-66-102 R=13.4 (野沢温泉にて)
ズバリ、ズレを多用する滑りに適したモデルではないでしょうか?

切れるスキーではありますが、コブや荒れ地にその真価は発揮でき、逆に硬めの高速バーンはやや苦手であり、ターン後半にテールが抜けるような挙動となってしまった。

最後まで乗りきれなかったモデルであり、やや捉えどころの無いようなモデルであった。

踏み込みきれない不安定な面がどうもマッチしないのは筆者との相性が悪いように思える板でした。
 ヘッド スーパーシェイプ 165cm 121-66-106 R=11.4 (野沢温泉にて)
小回り系のスーパーシェイプは以前と同じくかなり重量感のあるドッシリしたモデルです。

試乗コンディションがあまり良くなかった事もありますが荒れた斜面では板の抜けがあまり良くなかったように感じます。

また重量感は滑っても感じられ、スペック的には小回りを得意とするモデルでありながらその痛快さはあまり感じられませんでした。

コブ斜面についても板が返ってこない状況がしばしば出てしまいこのモデルも整地で尚且つ、硬めのコンディションが似合うと判断しました。
 ブリザード スーパーソニックIQ 167cm 121-72-103 R=14.5 (野沢温泉にて)

実重量は不明ながら膝下重量は非常に軽い板である。
またスイングウエイトについても軽く滑り出し前から「楽な板」が想像できました。
試乗斜面は春独特のザラメ雪であり午後のコースはかなり荒れている。
コブも発生し始めた斜面であるが滑り出して数ターンでこの板の特性が表れ始めました。
先ずは安定感が非常に高い点が滑っていて「余裕」として現れます。
大回りでの滑走もコブを意識しなくて体を倒せるぐらいに踏み込みが
できる足裏が安定しています。
小回りについてはコブの谷間のヌケが素晴らしく大きく体から板が離れてもちゃんと次のターンでは板がお尻の下に戻ってるリカバリーにはビックリでした。
今期のモデルは昨年の継続モデルとの事ですが、何故話題にならなかったのか疑問ばかり残る一台でした。
正直、買いです。

 ブリザード ソニックIQ 160cm 119-68-103 R=12.0 (野沢温泉にて)
あまりにスーパーソニックの印象が強かったのでその下位モデルのソニックにも試乗しました。

単にメタルの枚数が違うということだけでは無く、スキーの形状自体が違っており別物のスキーと考えた方がいいかもしれません。

感想は非常にソフトなモデルであり低速でのコントロールはスーパーソニックよりもむしろこちらの板の方が上手かと思いました。
また柔らかい雪での大回りも雪面に張り付いてくれて比較的に安定感のあるモデルでした。
しかし今回は硬いバーンでの試乗ができなかた事が残念でありますが、想像するにこのフレックスの柔らかさが裏目に出そうな予感がしました。
トップがバタバタしそうで一気に不安定な板となってしまうかもしれません。

コブ主体での利用であればお勧めできるモデルですね。